子宮体がんとは、卵巣から分泌される「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という、2つの女性ホルモンが関係して発症するがんです。 子宮体がんは、女性ホルモンのバランスが崩れやすい閉経前後の50?60歳代の女性に多く見られます。 また子宮体がんは、欧米に多く、日本では少ないとされていました。 しかし、最近は日本でも増えてきており、子宮体がんは子宮がん全体の約半分を占めています。 子宮体がんの発症に関係しているといわれている女性ホルモンのエストロゲンは、子宮内膜を増殖させるように働くホルモンです。 月経の終わりごろから分泌が増加します。 排卵が起こると、プロゲステロンが子宮内膜の増殖を抑えるために分泌されます。 すると、増殖した子宮内膜は退縮し、妊娠しなかった場合は剥がれ落ちます。 これが「月経」です。 エストロゲンとプロゲステロンの2つのホルモンバランスが崩れ、エストロゲンの方が過剰になると、子宮内膜が異常に増殖してしまいます。 それに遺伝子の異常などが加わり、子宮体がんが発症します。...
子宮体がんは、初期から殆どの人に自覚症状が見られるものです。 子宮体がんの症状は、おりものの色が茶褐色になったり、量が多かったり、臭いがあるなどの異常が現れたり、下腹部に痛みが起こることもあります。 最も多い子宮体がんの症状は、月経時以外に出血する「不正出血」です。 このような症状が現れたときは、不正出血を単なる月経不順と自分で判断せず、すぐに婦人科を受診することが大切です。 子宮体がんになりやすい人は、「月経不順」、「妊娠・出産の経験が少ない」、「肥満がある」といった人です。 月経不順で排卵がうまく行なわれていないと、エストロゲンが過剰な状態となるので子宮内膜が増殖しやすくなります。 プロゲステロンは妊娠時に大量に分泌されるので、妊娠・出産の経験が少ないと、プロゲステロンが体内に多い期間が相対的に短くなります。 そのために子宮内膜が増殖しやすくなります。 子宮体がんが増加しているのは、最近の晩婚・少子化が関わっている可能性もあります。 その他、女性ホルモンとは関係ない、遺伝的要因などによって、子宮体がんが発症する事もあります。...
子宮体がんの検査は、「子宮内膜組織診」「細胞診」「経膣超音波検査」などを行います。 どの検査も外来で受けられ、必要に応じて組み合わせて行なわれます。 子宮内膜組織診は、子宮体部に細い器具を挿入し、子宮内膜の組織の一部を削り取って調べます。 細胞診は、表面をこすったり吸引したりして細胞を採取し、顕微鏡で調べます。 経膣超音波検査は、膣から超音波を発する器具を入れて行なう画像検査です。 この検査では、子宮内膜全体の状態を調べると同時に、子宮内膜の厚さを測ることもできます。 このような検査で診断できない場合や、検査時の痛みが強くでできない場合は、全身麻酔を行い、子宮内膜を子宮体部全面から摂取して、詳しく調べる検査「子宮内膜全面搔爬」を行ないます。 検査の結果、子宮体がんと診断された時は、「CT」や「MRI」などの画像検査で、がんの広がりや転移の有無を調べます。...
子宮体がんの治療は、外科療法が基本になります。 手術で子宮を摘出するのが難しいときは、「放射線療法」や「化学療法」が行なわれます。 子宮体がんの手術は、子宮と合わせて卵巣・卵管を含め広く切除するのが基本です。 卵巣から分泌されるエストロゲンが、子宮体がんの増殖を促進するためです。 進行した子宮体がんの場合は、がんが転移しやすいリンパ節も一緒に切除します。 子宮体がんで子宮を残す治療を検討されるのは、早期のがんであることと、子宮体がんの成長をプロゲステロンが抑制できるときです。 子宮体がんの手術後は、約5?10年間は定期的に通院し、子宮体がんの再発の有無の確認や後遺症のケアのために、経過を観察することが大切です。...
子宮体がんの手術障害は、殆ど見られませんが、リンパ液の流れが悪くなって足がむくむ「リンパ浮腫」が、リンパ節を切除した場合に起こることがあります。 この場合、日常生活の中でケアを行なう事が大切になります。 むくみを抑えるために、足のマッサージをしたり、むくみ防止のストッキングをはいたり、足を少しあげて眠ったりしましょう。 また、閉経前に卵巣を摘出すると、「更年期障害(卵巣欠落症状)」や「骨祖しょう症」が起こることがあります。 更年期障害の症状に対しては漢方薬を使用し、骨粗しょう症には骨密度を増やす薬を使用します。 子宮体がんの再発には、治療が行われた子宮、及びそれに続く腟や骨盤内の組織に発生する「局所再発」と、子宮から肺や肝臓などに転移する「遠隔転移再発」があります。 子宮体がんの局所再発と遠隔転移再発の発生する割合はほぼ同じです。...